みやびの猫と建物ときどき日記

愛媛県に住む二級建築士兼インテリアコーディネーター、そしてヘリテージマネージャー(歴史的建造物保全活用資格者)です。気になった建物、好きなインテリア、趣味(箏と読書)、そしてうちの5匹の猫たちをご覧いただけたらと思います。

伝統的建造物の保存活用の見本

ミュゼ・灘屋

日曜日に、愛媛県伊予市にある古民家を改装した建物ミュゼ・灘屋(なだや)で、邦楽を主としたイベントがありました。

灘屋は1738年に建築された建物です。屋根には象徴的な破風と鬼瓦があり、瓦には家紋が入っています。うだつ、虫籠窓、格子などが特徴です。

f:id:miyabinoie:20180226212723j:plain

尺八・箏・三味線の演奏+お茶席というものです。古民家にいかにもぴったりと合うイベントですが、ここにこの建物を活性化させる大事な要素がありました。それは駐車場です。この建物に来るお客様の自動車は、すぐ近くの2つの銀行の駐車場を無料で利用できるのです。素晴らしい!!

昔の家には駐車場はありません。商店街にも共有の大きな駐車場がありません。という状態であると、現代の人は交通手段が自動車の場合が多いのでとても困り、はてはこういうイベントがあっても行きにくいから行かないとなってしまいます。どんなに素敵な建物を改修しても、活用ができないのなら意味がありません。でも、こういう形で、日曜日は空いている駐車場を活用できるのなら、こんなに良いことはありません。 ヘリテージマネージャーとしても大いに関心のあるところです。

f:id:miyabinoie:20180226212531j:plain

尺八・三味線・箏で茶音頭を弾く間、お茶のお点前がありました。とても面白い趣向です。正直なところ、一般の人が邦楽を10分以上聴くのはしんどいだろうと思います。そこにこういう仕掛けがあるのなら、退屈せずに見たり聴いたりできます。

お箏演奏を楽しんだあと、古民家を見てみました。

f:id:miyabinoie:20180226212855j:plain

床の間は書院造です

f:id:miyabinoie:20180226213013j:plain

ちんくぐりがあります

f:id:miyabinoie:20180226212935j:plain

書院にある彫刻は鶴

まだお片付けの途中だったので多くは見れませんでしたが、機会があればまた覗いてみたいと思います。

古民家カフェ&レストラン

古民家カフェ&レストラン

 
古民家解體新書?(古民家解体新書?)?古民家を未来に残すための124の知識? (発行:一般社団法人住まい教育推進協会)

古民家解體新書?(古民家解体新書?)?古民家を未来に残すための124の知識? (発行:一般社団法人住まい教育推進協会)