善光寺薬師堂の茅葺屋根修理
NHKの年末から年始にかかる番組に「ゆく年くる年」というのがあり、今回のそれに茅葺屋根の白川郷の建物が写っていました。日本の原風景だなという気がします。
さて、ヘリテージマネージャーを勉強中だと、古い建物に興味が出てくるばかりか、古い建物を改修中のところからも改修見学のご案内があったりします。
12月に、愛媛県鬼北(きほく)町にある重要文化財・善光寺薬師堂の茅葺屋根の葺き替え工事を見に行きました。
遠目にはお墓の後ろに出現した巨大な温室みたいですが、ここが現場です。
ヘルメットを被って近くで見せてもらいました。
見ているあいだに茅(かや)が岡山県より到着。
他県に頼らないと茅も職人さんも都合がつかないことに、一抹の寂しさと将来への不安を感じたのでした。
こうした重要文化財ではなく、民間の住居としての茅葺屋根のお家は、屋根に鉄板をかぶせたままで何棟もまだ残っています。失われる前に、何かできないのだろうかと思います。もう、個人の手でできる範囲のものではないのですから。